『豊玉姫の尊と青龍』water color pencil 2018年作品 サイズA3 　 子供だったわたしは南房総市和田町の実家のすぐそばにある「龍神社」が遊び場でした。 まだ4、5歳の好奇心旺盛な幼児は、龍神さまのいらっしゃるお身元で友達らと駆け回っていたのです。 しかし「龍神社」と呼ばれてはいるものの、龍神さまの御姿を彫った飾りや龍画も無く、いつの日かわたし自身が描いた龍神さまを飾れたらなぁ～～などと思っていたのでした。 2018年3月に大田区池上で大工さんの手元手伝いの仕事を受けての作業中、木組みをして床板を張ったばかりの2階から降りるとき、前日の大雨で滑りやすい床板に置かれたハシゴが倒れ、3メートル下に転落。 胸骨圧迫骨折と股関節の傷害により40日間の入院となったのです。 池上本門寺が良く見える松井病院の入院病室で 妻にお願いしてスケッチブックと水彩色鉛筆を持ってきてもらいこの絵を描きました。 「龍神社」を調べてみると実は400年前に創建され、豊玉姫の尊を祀っていることが判明。 おそらく地元の人たちはほとんど知らないはず 豊玉姫を祀っていたことを知って、なぜわたしがこの神社に作品を奉納するに至ったかの意味が理解できたのです。 わたしが中学2年の時、海と合流する小さな川で7歳の弟を含む3人の子供を不慮の事故で亡くなったのは、わたしと両親にとって絶望的な出来事。 龍神さまは間違いなくわたしに描けと仰っていると確信したのでした。